大学は出たけれど

「大学は出たけれど」この言葉はバブル崩壊後の就職氷河期にも何度も聞かれました。
その後一時は持ち直した景気が再び悪化、再び就職氷河期が再来している現在でもよく聞かれる言葉です。
ですが、現在まで使われる要因となっているのは、昭和4年に公開された小津安二郎監督のサイレント映画のタイトルとして使われたからでしょう。
昭和4年といえばまだ戦前ですので、大学の進学率は10%にも満たないごく限られた人たちだけが進学・卒業をするものでした。
昭和初期の不景気のおありで定職に就く事ができなかった青年が、田舎の両親に就職できなかったと言えずに就職したと電報を打ってしまうというストーリーです。
そして昭和30年、大学は出たけれどは再び映画化されます。
戦後10年経過しましたが、大学進学率は10%に達しておらず、男性の大学進学率だけをみれば10%の前半、女性に至っては3%にも達していません。
男性の大学進学率が20%、4人に1人となったのは昭和40年、いわゆる第一ベビーブームである団塊の世代の人々が大学入学の年です。
経済の発展とともに大企業・有名企業への就職希望が増加しました。
採用をする企業側でも大卒という学歴を求人に求めていたのです。
その結果として大手企業に就職するためには大学を卒業しなければという意識が広がり、学歴社会となって行きました。
その後大学進学率は男女ともに年々増加し、バブル崩壊時に一時減少をしますが、その後もまた増加をしていき、現在では50%を超え、2人に1人が大学進学をしている時代となりました。
こうした進学率を示すと、大学を卒業したという事は特別な事ではなくなり、特に不景気が続いてしまうと、大学を出たから就職率が上がるという事はなく、少ない求人に対して大勢の求職者が殺到しますので、大学生の就職はますます難しくなるのです。
ちなみに平成23年度の大卒者の就職率は67.3%であり、3~4人に1人が就職できていないという状態になっています。
それでも3年連続で就職率は増加しており、昨年に比べても3.4%増加をしているのです。
増加をしているというと景気が回復している兆しかもしませんが、3~4人に1人が就職できない状態というのはやはり就職氷河期といえるでしょう。